ジェネティクス・ダイジェスト

JENNETICS DIGEST 

症例

12. バイク転倒後の肩鎖関節動揺

 出張専門往診時代。20代男性。
ある患者さんの息子。原付で転倒。肩を強打しました。
肩を強打した場合、起こりやすいのが、肩鎖関節の脱臼です。
これはひどいのになると、鎖骨が浮いてしまうので容易に判断できます。
そうなると即手術だと思います。
やっかいなのが、わずかな浮きです。
左右比べてみても、確かに患部は動揺があるように思いますが、もしかしたら以前からあったかもしれない、というくらいの微妙さです。
でも確かにちょっと浮いています。
実は私自身がこの症状で悩んだことがあります。
昔、バイクで転倒して痛いのにほったらかしにしていたせいです。
それがその時はたいしたことがなかったのに、ちょっとしたきっかけで出てきたようです。
厄年のせいかもしれません。
腕を動かせないわけではないが、腕を上げきった最終のところで痛みます。
寝るとき、頭の下で腕を組むと痛みます。
なにかにつけ、ちょっと痛むというのは苦痛の連続です。
精神がやられます。
私は今では、うつというのはどこからか来る外傷の痛みが原因ではないかとさえ思っています。
そこを治さずして、当然薬などでは治りませんね。
話がそれましたが、鎖骨の浮きはやっかいです。
テーピングで止めても長時間しているとかぶれる。
かといってすぐ外すと意味がない。
どこかに鍼をするなりしても、鎖骨が押さえられるわけでもない。
肺に当たったかというほど激痛がでるまで深く打ってみたりしました。
セルフアジャストメントといって、自分にジェネティクスをかけても鎖骨の浮きがおさえられるわけではない。
鎖骨骨折用のバンドやいろいろなサポーターも試しましたが、はっきりいって無効。
胸鎖乳突筋という頚の筋肉が鎖骨を引っ張って浮いてしまうのです。
他人の症状なら最後には、あまり気にしないことです、などども言えますが自分のことです。
たまりません。
寂動整体という鎖骨に着目した整体を受けたりしましたが、それは肩鎖関節ではなく、胸鎖関節主体の整体でしたのでやはり効果なし。
(肩鎖関節の浮き以外の他の全ての症状にはよくきくでしょう)
寫血(しゃけつ)といって古血をポンプで抜いてみたりもしました。
(私はスモーカーなのでけっこう血がドロドロでした。
ドロドロというかレバーみたいに固まるのです。
何かの実験でみましたが、動物の血にストローで煙草のけむりを吹き込むとそうなっていました。
肩だけのつもりがついつい全身やってしまいました。
気がついたことはドロドロがたくさん出る場所と、鍼の湿疹、吹き出物、皮膚病のツボと位置が一緒だったことです)
(注:鍼治療では寫血とはいいません。 刺絡といいます)
寫血の結論ですが、ある程度抜いてしまって、ドロドロがもうでてこなくなったころ、痛みがどうなったかというと鎖骨の浮きが押さえられるわけでないので当然無効。
厄年の体は楽になりましたが。
その時は必死でしたからなんでも試したのです。
息子に話を戻しましょう。
ジェネティクスベーシック後、肩鎖関節の故障は命取りにかかわる、と重要性を説き、肩鎖関節に押さえのパッド&テーピング。
治療が早かったせいか、若いせいか、肩鎖関節の動揺もすぐなくなりました。
私もそれから、年とともに知らぬうちに筋力が低下、特にインナーマッスルの筋力の低下が自分の中に起こっている、その回復には運動が大事だと思い、プールで水泳や水中ウォーキングを続け、多少浮きはあるものの、今では99%痛みはなくなっています。
(インナーマッスルは関節の中の骨の位置を正常に持ってくるのに非常に重要な役割をします)
(おまけ:このプールの近くに築26年の中古の家を買い、自分の院としました)

NEXT

HOME